舌の置く場所や使い方の不正を舌悪習癖(ぜつあくしゅうへき)といいます。
舌悪習癖には以下のようなものがあります。
1) 低位舌(ていいぜつ)…舌を下顎に置くクセ。口呼吸に伴う場合が多い。
2) 幼児型嚥下(ようじがたえんげ)…ツバを飲む際、舌を前歯にあて唇に力を入れるクセ。
3) 舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)…舌を前歯に押し付けたり、上下顎前歯の間から出すクセ。
4) 咬舌癖(こうぜつへき)…舌を噛むクセ。
など…
舌悪習癖があると、上顎の幅が狭くなり、様々な歯ならび・かみ合わせの不正を呈します。
上は舌突出癖または咬舌癖の例です。低位舌と幼児型嚥下も認められます。
舌を上下の前歯の間に出すクセがあるため、開咬を呈しています。
舌の理想的な位置づけは、舌の先端を上顎前歯よりもやや後ろに置き、舌背(=舌の表面)を上顎の内側に接するように置きます。
これと同時に、口唇を閉鎖させることが重要です。
舌を上顎に置き口唇を閉鎖させるためには鼻呼吸が必須です。
つまり、ここでも口呼吸が悪影響を及ぼしています。
舌悪習癖の改善には以下のようなメニューが必要になります。
1) 舌の正しい位置を覚える。
2) 舌を上顎にキープし得る(舌の)筋力をつける。
3) 舌の正しい使い方として、まず嚥下(=飲み込むこと)の仕方を身につける。
4) 舌の正しい使い方として、次に発音(特にサ行,タ行)の仕方を身につける。
など…
当院では矯正治療と並行して、舌悪習癖改善のための指導や練習(筋機能訓練)を行っています。